ベレット雑記
古本まゆ いすゞベレット1800GT
阿呆の車売

2014年8月19日

 いすゞの車はベレット1800GT2台と、仕事ではFRジェミニも乗っていたことがあるのですが、いすゞのディーラーには、実はあまり良い印象をもってはおりません。
 最初のベレットは、途中から117クーペのG180WEをSOLEX仕様に変更して載っけていたのですが、(やはり117クーペのものを流用した)エキマニ改にひび割れが入るというトラブルが発生しました。
 こちらにとっては軽度のトラブルですので、ジェミニを買ったいすゞの栄営業所に訊いてみたところ「うちで修理します」と言うので預けたのですが、後日 「直せなかった」という連絡がきました。見に行ってみると、薄いパイプを酸素溶接機で修理しようという、素人でもやらないような杜撰な作業をやった結果、 二度と修復できないようなとんでもない状態になっていました。損害賠償の請求をしたい気持ちだったのですが、それをぐっと抑え「あんなところに修理を頼んだ、俺が馬鹿だった」と、涙を呑んで諦め、車を返してもらいました。
 ところが話は、これだけでは済みませんでした。なんと「直せなかったけど、手間がかかったので修理代を払ってください」という請求書が送付されてきて、 流石にこれには切れました。修理個所ははっきりとしているし、修理代は「直してくれたこと」の対価として払うものだと思っていたのですが、ディーラーの感 覚では「直そうと思ったら、完全に壊れちゃったよ。改造してあるから仕方ないね。エキマニの取り外し・修理・再取り付けに、*時間かかった」(電話でのや り取り)と言って、手間代を請求してくるのが普通なんですかね? 別にこんな(お客に喧嘩を売るような)ことをやっていたから、乗用車部門が潰れた訳では ないのでしょうが、「えぇかげんにせんか 簡単な修理もできないこのど阿呆が!!」という感じ(思っても、ここまでは口に出してない)です。
 無理な熔接の所為で、完全に再起不能と思われたエキマニですが、ラリーベースさんが、こちらは本物の職人技で修理してくれました。ベレットに再度G180Wを載っけるときに必要ですので、現在倉庫にしまってあります。
 ディーラーの悪口に、不快感を感じる方もみえるとは思いますが、私の感覚は変でしょうか? いすゞとのトラブルは、まだこれだけじゃありません(^^;;。

 ベレットの車検を切った後、(珍しく新車で)発売されたばかりのユーノス・ロードスターを購入しました。走行性能のバランスの取れた車で、曲がりくねった山道もベ レットよりも安定して速く走れると思います。ただエンジンは、完全に乗用車のそれで眠たくなるようなフィーリングでした。走りも、ミズスマシのような走り とハンドリングを期待していたので、その意味ではかなりイメージとは違っていました。出来は良いものの、思っていたより普通の車です。バランスがとれてい る分、ベレットのようなブッ跳んだ感覚がないですね。
 奥さまと知り合って結婚したのもその頃で、子どもが一度に二人も生まれたので、それなりに気に入っていた2シーターのロードスターから、やむなくユーノス500に乗り換えました。こちらはスタイルだけで選んだのですが、出来はいいものの、完全に普通の乗用車です。
 東洋工業の車の走りに、かなり退屈していたので、各務原のテリフィックさんに遊びに行った時に、レストアベースのベレット1800GTを見て欲しくなっり、購入してきました。これが現在のベレットになります。
 早速エンジンをおろし、オーヴァーホールの為にバラして部品を灯油で洗浄する所まではすぐにやったのですが、家業の会社を退職すると、新しい仕事の準備で猛烈に忙しくなり、レストア作業も自然に中断しました。
 作業を再開したのは、随分と年数が経ち、名東区に今の店を出して、少し落ち着いてからです。今始めなければ、もうベレットを復活できないかもしれない、 という危機感もあって、ランタボの友人のところで、場所とエンジン台(手造り)などの工具を借りて、友人の主導でエンジンを組みました。その友人の家とい うのが、偶々いすゞの北営業所の(裏道を挟んだ)真ん前(その頃には栄営業所は、とっくになくなっていました)だったので、「エンジンを載せるのと車検を 通すくらいはディーラーでもできるだろうから、やってもらおう」という話になりました(この頃は今以上に忙しかったので、エンジンを組むぐらいが限界でし た)。これが絶対にやってはいけない、とんでもない間違いだったことは、この後すぐに判ったのですが……。
 ともかく、修理ができないし、部品も探せない。「部品がないので、整備できない」と恥も外聞もなく、素人の私に泣きついてきます。「燃料タンクが危険な 状態で車検が取れない」(スペア品を提供)、「長い間乗ってなかったので、ブレーキのマスターシリンダーからオイル漏れしている」(中古のスペア品を提供 したけど、それも駄目。テリフィックさんが、笠寺のパーツセンターに1個在庫があるのを調べてくれました)、「ホーシングが腐って穴が開いており、非常に 危険な状態」(友人ちの近くの鉄工所に持っていったら、金槌でカンカンと叩いて「この部分だけで、腐りは全然拡がっていないよ」と言って鉄板を熔接し、 10分で修理してくれました)、「ブレーキパイプの継ぎ目からオイルが漏れている」(これはちょっと困りましたが、当店の近くのポルシェ屋さんで、新しい パイプを作ってもらいました)、まだ他にもあったと思うのですが、忘れました。ともかく彼奴らは、修理というものが全くできない(やる気もない)ようなの です。プロが素人に泣きを入れてどうする、と思うのですが……。
 いすゞのディーラーのあまりの無能さに呆れつつも「(ここまできて断れないし)車検を取って車を持ち帰りさえすれば、整備はこちらでいくらでもできる」 と、後悔と忍耐のイライラとした日々を送っていたのですが、そんな時、店に一本の電話がかかってきました。「中川区の****という自動車屋だ」(伏せ字 ではなくて、社名を完全に忘れました)、「いすゞのメカをやっている奴に聞いたのだが、車検が取れなくて困っているそうだな」(否、車検が取れなくて困っ ているのではなくて、整備・車検を頼んだ、いすゞのあまりの無能さに困り果てているのだが……)、「俺が、車を買ってやる」(少なくとも、「高くてもいい ので、是非売ってください」という口調ではない)、という無礼極まる内容でした。
 これには、我慢に我慢を重ねていた私も流石に激怒し、すぐに北営業所に抗議の電話をしたのですが、「従業員が、個人的に話をしただけだ」というような、ふにゃふにゃとした言い訳をしておりました。
 ****は、インターネットで調べてみると、フロンの違法販売で挙げられた前科のある車屋のようです。口調からしても、かなりいかがわしい業者かなっ?  後に息子とベレットで出かけた、金城埠頭の国際展示場でやっている名古屋ノスタルジックカーショーに出店していたようですが、冷たい目で見て通り過ぎました。
 いかに乗用車販売末期の荒れた状況とは言え、モラルの欠如は腹立たしい限りです。その後、いすゞのディーラーも、名古屋市内はパーツセンターのある笠寺 一店だけになり、この一件で関係も完全に切れました。こちらも「(この程度なら)ディーラーでもできるだろう」と考えて、簡単な仕事を頼んでいるつもりな のですが、何か勘違いをしているようです。素人以下の仕事しかできなところとは、もうお付き合いいたしかねます。ベレットは持ち帰って、じっくりと整備仕 直しました。


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