ベレット雑記
古本まゆ いすゞベレット1800GT
1800GT-typeR 1

2012年3月24日

 今年は花粉症も軽そうなので、暖かくなったら屋外でベレット整備の作業もできそうかと思っていたら、今週に入って来てしまいました。憂鬱な日々が続きそうなので、今回も雑談。

 ベレットGTは、昭和44年に117クーペ用に開発されたDOHCエンジンG161Wを積んだ1600GT -typeR(以下1600GT-R)が出現し、昭和45年にはSOHC1817ccのG180を積んだ1800GTも出現して、昭和48年まで生産が続けられることになる。
 昭和48年という年は、ベレットとエンジン、駆動系を共有する117クーペに、G180のDOHC版であるG180Wエンジンを積んだインジェクション仕様のXEと、SUキャブ仕様のXGが追加、車種が切り替えられた年でもあった。ベレットがあと2年くらい生産され続けたならば、G180Wを積んだ1800GTのType-Rが、1600GT-Rの最高出力と1800GTのトルクを上回る、最後にして、真に最強のベレットとして出現したのではないかと、多くのベレットファンが、ない夢を見たのではないだろうか。


 ところで、店の前に、ビニールを被せて置いてある大きなもの、何だろう?と思っている客さんもみえることだろう。実はこれ、以前乗っていたベレットに実際に積んでいたG180W型のエンジンだったりする。
 岐南町の解体屋で見つけた117クーペXEのエンジンを買ってきて、どうせオーヴァーホールするならばと、トヨタの18RGの88.5mm径のピストンを入れて4.5mmのボアアップの2,016cc仕様としたものだ。後にいすゞがG型を限界までボアアップしたG200のシリンダー径が87mmなので、流石に少し不安があった。キャブは街乗りでの使い易さを優先して、SOLEXのφ40とした。
 このエンジンをベレット1800GTに載せようとすると、同じブロックを使用しているとはいえベレット用の周辺機器は、狭いエンジンルームに納める為に、117用の物に比べて幅が狭く、前後も短く作られていることが判る。実際に、載せた後フルブレーキングをした時に、ラヂエター冷却用のファンがラヂエターに突っ込むトラブルが発生したので、ブロック周りはできる限りベレット用のものに取り替えて使用する必要がある。
 しかし、このG180Wの2L仕様のエンジンは実に良かった。低回転から6,000回転超までストレスなく回り、どの回転域でも、しっかりとトルクが出ているし、いくら回しても壊れない。それまで履いていたタイヤでは、パワーに負けてまるっきりグリップしなかった。クラッチも滑りまくる。最高速度は、空力特性の良さもあって、220Kmのスピードメーターを振り切るほどだ。富士スピードウェイの第一コーナーの手前で、190Kmを超えるくらいだろうか。
 今の1800GTに載っているのは、前期型の一年くらいしか製造しなかった凝った作りのエンジンなので、当面オリジナルのままでいくつもりだが、将来はまた、このG180Wのヘッドを載せたベレット1800GT-Rを作る日が来るかもしれない。

追伸: 今朝レースカラーのトヨタ2000GTが三台、連んで走っているのを見かけた。トヨタ博物館で、
    何かイベントがあったのかなっ?

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